起床する必要のない早朝五時に目が覚めてしまった場合にすることと言ったら熊撃退です。
全く出かける必要もないのに、目がぱっちりと開いてしまった朝、ふと調べものを思い出して布団の中でごろごろしながらGoogle検索をしました。昔は図書館に出向いて姿勢を正さなければできなかったことが、今や寝っ転がりながら可能になりました。答えは見つけ易くなりましたけれども、身体も精神もどんどんなまっていきますね。
まぁそんな風に思いながらも、続けてヤフーニュースの流し見を始めました。
すると、大好きなトピックが目に飛び込んで来ました。それは・・
『山に出かけた男性が熊を撃退!』
天下の熊退治トピックです。皆さんも年に一度か二度は読みたいニュースの一つですね。
今回の熊は体長160センチと、中々の大きさ。退治したのは68歳のお父さんで、撃退方法はキックや突き、膝蹴り等の空手技。というのもお父さんは新実践空手道場の館長さんだったからです。
空手か・・
去年だか一昨年だかも空手家が熊を撃退しましたなぁ。あれは190センチくらいの大きな熊だったのだけど、沖縄空手の黒帯かなにかを保持している人だったので秘技「目つぶし」をお見舞いしたところ熊は退散したのだった。
空手か・・
十年位前には普通の素人おじさんがたまたま発した巴投げ(柔道技)で熊を崖に放り投げたのではなかったかな。
柔道か・・
もしかしてクマって、、格闘技に弱いのか?
いや、他の撃退方法もあったはずだと思い、薄い霧のさす早朝にまたもや検索を始めました。
ありました、ありました、格闘技以外で一般人が熊を撃退したニュースが。
熊撃退ニュース
2016年 9月 熊に出くわした男性がたまたま持っていたノコギリを振り回し三頭の熊を撃退。
そうそう、熊にはねやっぱりノコギリですよ。ノコギリは最強なんだ。なんつったって、刃がギザギザしているからね。あんな刃で皮膚をやられたら縫おうにも縫えませんよ。むしろ日本刀でばっさりいってくれた方が切り傷も治りやすい。しかも、ノコギリって以外と柔らかくてビヨヨ〜ン、ビヨヨ〜ンって変な音しながら揺れるでしょ。あれもやだよ。
もし、街で裸のノコギリ持った人がいたら直ぐ手前の角を曲がって一目散に逃げますね。
熊も同じ気持なんでしょう。三頭もいたのにみんな逃げたそうです。
次!
2017年 6月 木の上から襲って来た熊を83歳のおじいちゃんが鉄パイプで撃退
これはですね、尋常じゃないです。木の上から襲ってくる熊も熊ですが、鉄パイプ持っている83歳も83歳ですよ。
梨畑でクマ被害の見回り中だったおじいちゃんらしいですが、護身用に選んだのは鉄パイプ。って、これはもう元から強いおじいちゃんじゃないですか?
熊がいそうな場所に鉄パイプひとつで乗り込んでいくんですから、不良漫画の「ビー・バップ・ハイスクール」とか「ろくでなしBLUES」の世界です。
「おい、おめぇ、誰に断って背中に月書いてんだよぉ」といいながらツキノワグマをボコボコにしたんだと思います。
他にも鉈(ナタ)で小熊を返り討ちにして殺したお爺さんだとか、同じく鉈で体長2メートルのヒグマを撃退したおばちゃんもいます。
この二人の直接対決はさぞかし恐ろしことになるでしょう。鉈を持ち血気盛んな老人二人が山中で対峙する。そのシーンを想像しただけで失神しそうです。
しかし、市街地で鉈というのもあまり現実的ではないのでもう少し調べてみると、ありました。我々都会の民でも可能な熊撃退グッズが。
2013 9月 枝切り鋏で熊に反撃。
枝切りバサミです。これなら一軒家のお宅にはあるかもしれませんね。雑草が伸びますからね。しかし、都会の民は野生の動物に慣れていませんから私は別の一品を試したいと思います。
それは、
高枝切りバサミです。
あの、通販番組で時々見かけるあれです。買ったけど以外と使わなくて物置に眠っている方も多いでしょう。高枝切りバサミなら熊との距離もとれます。長いからね、柄がとーっても長いからね。2メーターあればさすがの熊も手が届かないでしょう。
図解 高枝切り鋏マン vs 人食い熊
うん、大丈夫。負ける気はしない、勝つ気もしないけど。
でもね、本当のことを言うと最強なのは「思い込み」なのね。
あれは2008年の7月のことだった。
中学生の女の子が北海道の羅臼温泉野営場で家族とキャンプしていました。その日は夏の陽気も手伝って、結構沢山のキャンパーが来場し、テントもいっぱい張ってありました。
皆が寝静まった朝方四時、その中学生の女の子は妹(小学生)がいたずらでテントを何度も外から押してくるので、最初は押し返していたんだけど、いつまでたっても止めないから業を煮やして、内側から蹴り(キック)を一発お見舞いしたんだわ。
そうしたら妹はいなくなったのね。
その横でね、お母さんは震えていたのよ。なんでかって、テントに写っていた影は妹じゃなくてヒグマの影だってお母さんはわかっていたから!
中学生の女の子は寝ぼけていたらしくて、勝手に妹だと勘違いしたんだ。それで寝ぼけ眼の蹴り一発でヒグマを撃退したってわけ。
そのお陰で何十人ものキャンパーたちが無傷で救われたんだから、素晴らしい撃退法じゃありませんこと。
空手を習う必要もなく、鎌とか鉈とか武器を持つ必要もなく、まわりに被害を広げることもない完璧な必殺技。
「思い込み」
本当の話なんでございますよ。ニュースソースはこちら朝日新聞ね。
http://www.asahi.com/special/08-09/news2/TKY200811290182.html
こうなってくるともう格闘家が普通に熊を退治しても「へー」ぐらいにしか驚きません。やるなら熊を寝技で落としたとか、ヒグマに関節技決めたまま別の人に発見されるとか、大熊といざ対峙したけれど勇み足で一人崖へ落っこちていったとか、それくらいして下さらないとプロとは呼べません。
熊のお陰で今日は朝から悟りのような境地を垣間みさせて頂きました。
最後にもう一つ現代のクマに対処する方法をお伝えしておきます。
それは「睡眠を良く取る」ということ。
つまり、Googleはまだ熊とクマの違いが分からないので、「クマ撃退」と検索すると「気になる目の下のクマ撃退法」というのが出てくるんです。なので朝から検索ばっかりやってもダメだってことです。諦めて寝ましょう。
ということで、安心してもう一眠りしたいと思いますので外から押してこないでね。
*くれぐれも熊にはご注意下さい。命の危険があります。高枝切り鋏は武器としては若干細過ぎる可能性があります。