読むための明かり

月が屋根に反射している

 

 

pcの電源を入れて立ち上がるまでの短い時間を読書に当てようと本を開いた。

とても良い本なので一息に読了してしまうのはもったいないと思いながらも、既に半分以上読み終えている一冊。

 

敢えて、pcが立ち上がるまでの短い時間ならば良いだろうと本を開く。

 

ところが、夜風の涼しいことも手伝い、開け放した窓辺で一章、また一章と読み進めてしまい、気が付けばあとがきへ。

 

流石に月明かりだけで読むほど粋ではないけれど、満月のそれはとても強く時間の分からない夜の民家を照らしている。

 

ブックオフには暫く並ばないだろうと思う。

 

この本を買った人は簡単には手放さないだろうし、友人にプレゼントすることはあってもブックオフには持っていかないと思う。

小粋な古書店には並ぶかもしれないけれど、地方都市のブックオフに並ぶには十年以上必要かも知れない。それは思考の違う家族が強制的に部屋を片付けるか、生死の理由で処分するまで本人の手元に残る気がする。

 

そんな本が沢山あれば良いのに。

 

本は究極のジャケ買いだ。

 

音楽よりも選ぶのが難しい。

 

 

フルーツを食べて寝よう。

 

ヨーグルトを少し入れて。種類を多めに刻んだものを。

 

食べているとまるで、ヨガの修行をする都会人になった気分。

 

 

またすぐにこれほどの本に会えるとは思えない。だから、読了は少し寂しい。

けれども、本は必ず良いものが次にみつかる。何冊かそうでもないものを挟んだとしても必ず良い本がまたみつかる。

文字を書こうとする人間が世界中にいる限りこの営みは続く。

そして、光がそれを助ける。

 

街が、世が闇に包まれている時刻であろうと、月夜の明かりにいまだ太陽が健在であることを確認するようにして。

 

だから今日は本のタイトルは書かないでおく。なんでも良いのだもの。それぞれが見つけてそれぞれが大事にする一文があるとさえ知れれば。

 

 

 

 

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