ひらいたら終わり?

アーティチョーク

アーティチョーク日本名朝鮮アザミ

蕾が開いていますね。食用にするなら閉じた状態のを買うものです。これは三浦の畑道に放置されている株です。収穫するわけでもなく、伐採するわけでもなく毎年ここで花を咲かせたままにしている農家さんがいる。

アーティチョークは食べると言ってもこの三角のふさの一つ一つの根本を前歯でこそげ落とすだとか、煮るだとか、オムレツにするだとかなんだけど、大きさに対して食べる部分の少ない食物。レモン汁につけるとか手間はかかる。

蕾はこの後にもっともっと開いていって、最終的に紫のトゲトゲしたおっかない花を咲かせる。葉っぱとかも棘があっていかめしい。目を楽しませる植物としては結構好きな部類に入る。庭に植えてもいいかなと思う。葉っぱが豪勢だから邪魔かなとも思うけど。



昔、喫茶店の店主がお客さんにもらったアーティチョークを店内に生花として飾っていた。繁々眺めていると、「持ってく?」と言って帰りに持たせてくれた。拳よりも大きなそれを自分の店に持って帰りカウンターの上に置いておいた。紫がトゲトゲしたタワシみたいな花だった。
そのお店の主人は結構ピリッとした人だったのだけど、この数年で棘の先端がまぁるくなった。年齢なのかもしれないけれど、もしかしたら棘の先に何かを被せて覆っているだけかもしれない。


店主はりんごを五個持たせてくれたこともある。その時は鞄がなかったのでズボンの左右のポケットに一つずつ、ジャケットの左右に一つずつ入れた。異様に膨らんだポケットを連れ、最後の一個を手に握って街を抜け家に帰った。


食用としてのアーティチョークは蕾が開いたら終わりだけど、続きはある。咲いて枯れて、人を寄せ付けたり遠ざけたりしながら小さな思い出の一片として畑道に座っている。

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