何によって振る舞う

日記:11.05.2018

やはり、三日坊主でありました。

二行だけでも毎日更新する気はあったのだけど、やはり。

そう考えると、365day プロジェクトとして毎日自分の周りを撮影し公開し続けたジョナス・メカスさんの持続力はすさまじい。

 

映画・・

先日、古書店でDVDを買った。

K’s cinemaという新宿の映画館でたまたまリバイバル上映中の作品で、先輩からタイトルを聞き覚えていた。

 

「まぼろしの市街戦」

 

*以下若干ネタバレあり

 

敵軍ドイツが撤退間際に仕掛けた時限爆弾。住民は町を捨て郊外へ退避する。偵察を命ぜられた主人公が一人無人の市内へ潜入してみると、捨て置かれたサーカスの動物一座や精神病院に放置されていた患者が扉を抜け出し、桃源郷のような生活をしていた。

という話。

 

終始スモッグがかかったような、霜の降りた早朝のような人気のない街角に極彩色のドレスを着、おもいおもいの化粧をした男女が誰に注意されることなく自由にしている。

 

一般社会から偵察に来た主人公は、誰かに着せられた役職や責任とは無関係に生きる彼らに好感を持つ一方で、まだ生真面目に任務を果たそうとする。その度に彩り豊かな自由民たちの楽天的なパレードや宴が始まり小難しい出来事をファンファーレのように飲み込む。

 

彼らの狂乱に見える生活やどたばた劇は、物悲しさを土台にした上での明るさがあり、リストのハンガリー狂詩曲を想起させなくもない。

 

ヨーロッパの色数の少ない灰色とベージュの外壁を背景とし、浮いた衣装の・・

 

「さっ!」

 

今、蚊を空中でキャッチ。煩わしさから解放されました。

さっきから近寄ったり消えたりを繰り返していたんだよね。

血液には中毒性か、幻覚性、向精神性でもあるのではないかと思うほど、あの人たち(蚊)は諦めないです。

 

死を覚悟しながら向かって来る生き物。

 

人間が人間同士で貶しあったりしている間に、命を懸けて血を吸いに来る。

彼らは自分のしたいことに熱狂的だ。彼らには哲学を記述する時間も紙面もない。

ゆけ!ゆけ!突撃ーー!サーモセンサー反応、血流はあそこだ!刺すのだ、食事だ、生命だ!

 

と、いうようにして飛ぶのだろうか。

セールやよだれという単語はあるのだろうか。

 

 

 

 

 

三日坊主

日記 10/27 2018

お米は炊いてある。

昼の残りだ。

納豆の堅牢性について。朝、久しぶりに蓋を開けて安全を確認。御安全です。

 

寺山修二氏の作品を朗読する番組をNHKラジオで行っていた。が、

耳に入らない。「である。」とか抑揚強く読んでいたのはぼんやりと記憶しているけれど。頭には入ってこなかった。

個人的な問題なのか、楽曲の歌詞も全然入ってこない。言葉と意味がくっついた状態で脳まで届かない。生演奏で単語は聞こえ、その意味も知っている。それなのに全体として何を歌っていたのかは分からない。

 

そういうことがほとんど。

 

今、鳴っている音。

「鳥取駅の五十代の駅員が・・」とラジオニュースが話し始める。

 

ジョン・アップダイク「走れウサギ」を読んでいる。

下巻もあると思うと少しげんなりするけど。

 

 

古書店に顔を出す。イェイツの詩集がないかと探すも見当たらず。ブローティガンは目当てでない作品しか在庫がなかった。

帰ろうかと扉へ向かって移動しながら、レジ付近の書架に目を配る。本にしてはツヤやかな表紙。注視すると、聞き覚えのあるタイトル「まぼろしの市街戦」

あぁこれは映画のDVDだ。東京で4Kリマスタリング上映が来週から始まるあれだ。観に行こうとぼんやり計画していたのだけれど。

裏面。1200円。往復の交通費よりは安い。

 

古書店でDVDを。

 

インターネット越しに流れてきた逝去の情報で初めて知る作家や音楽家がいる。

それで、聞いてみる又は読んでみると素晴らしい。なぜこれまで辿り着けなかったのかと自戒するほどの場合もある。

そうだった。

実に視界の開ける、素晴らしい音楽を紹介している方だった。

知りたいと思うことの多さに比べ、人生の短さは皮肉にさえ思える。

 

ラジオの番組がひとつ終わった。次が始まる。

 

「ではフォーレ作曲バイオリンソナタ第一番イ長調をお送りします。」

 

クラッシックの題名も好きなのに覚えられないものの一つに入る。

英語でもいいからせめて「イノセント・ワールド」だとか「ボーイ・ミーツ・ガール」といったような題名を下さりませんか。まぁ、実際そうなってしまったらタイトル見て聴かないと思うけれど。

 

ラジオでかかり、慌てて壁へ書きつけた音楽「バーンスタインのピアノ小曲七つの記念日」

それと、ボルドスという文字列。

今日はSNSからステファン・マシュー。

 

昨日は訪ねてきてくれた友人と道で会い、戻って鍵を開けた。

 

明日のことを話しに出かけるか、それとも夕飯を先に食べるか。

 

スーパーではいつも決まった時間に割引シールを貼るらしいことを知った。

そしてそれを待っている常連さんがいることも。

 

町の八百屋さんでミニトマトと糠漬けキュウリ一本買う。バナナとミカンは買わなかった。なぜか。

じゃがいもは一盛り100円だった。お母さんは「風邪ひいたかなぁ」と独り言を言った。

親父さんがゴニョゴニョとなにか話し、最初に聞いた価格より10円安くなったような気がしたが気のせいかもしれない。

 

糠漬けを持って喫茶店へ入った。テーブルに似合わないので下の板へ置いた。

板がなければ椅子へ引っ掛けるか、地面へ置いたかもしれない。

 

ふっくらとしていて少し粘着質を感じさせつつも熱量のある声。談笑と真面目な話が会話なので混ぜこぜになる。ふと気付く。そういうものが観たいなと。

肉体の可能性や精神の広がりを見せてくれる舞踏ではなく、修練を積んでいないそのあたりに見かける市井の人間の、途中で脚がつってしまったり意味のない中断のある舞踏を。

そして限りなく人生な。毎日の真剣な。

 

 

明日書くのは無理な気がする。今日で三日目。

 

 

 

日に二度

日記ブログ 10/25 2018

 

長袖一枚で過ごせるほど暖かい陽気なので、部屋の四方八方を開け放った。

うまく寝られなかった昨夜を引きずっている。
丸めた羽毛布団の上で本を読む。二行。
寝た。

 

物音がしたような気がして目を開け振り向くと、我が家のではない生き物がいた。
慌てて引き返し階段を下っていった黒い物体を追いかけて駆け下りる。
寝起き。
もつれそうな足。

 

とっくにいない、

 

草を刈ったり、昼ごはんを食べたり、ネットに接続したり、現実を切断したりして

過ごす。

 

窓からは風、心地よい。

椅子で本をめくる。

「孤塔の詩人イェイツ」

小難しい上に、詩を解体する解説ものだから

落ちる

闇の中へ行ったのだろう
記憶途切れる。

 

ピチャピチャという室内では聞き慣れない音。

 

瞼を開く。

視界に黒い生き物。
蓋の開いた炊飯ジャー
釜を外してあるジャーの底に溜まった雫を彼が舐めている。

どこから、いつからここへ入ったのか。四方を開けてあるとはいえ。
寝ぼけ眼で立ち上がる。
逃げる彼。

 

緊張感がない我々の一線を超えた君

入ってはならないと、日本語と英語で伝えた筈だ。
君は破った、折衷案を。

 

洗濯をしよう。
洗うものがあまりない。
昨夜の不眠をいつまでも引きずっている。

 

窓から外の階段を覗くと、下の方で黒い彼が呑気にしている。
少し驚かせば顔を見せなくなるだろうか。

 

あかとんぼが低空で不規則に飛んでいる。
それを捕まえようと、黒い彼が手を伸ばしたり引っ込めたり中空を眺めたりしている。

呑気すぎて驚かす気も失せてしまう。
窓を閉めて、部屋の椅子へ戻り別の本をめくる。

 

「マリス博士の奇想天外な人生」

 

グラタンが少な過ぎたので食パンにチーズを挟んで食べている。
それでも充足感が来ないので、さらに小さなクッキーを放り込む。
少し気持ち悪くなってきた。

 

睡眠のことを考えている。

 

貰ったビール。なんとか一缶を飲み切る。

 

ラジオを消した。
ブーランクが流れている間は気持ち良くなったのだけれど、
よく分からないドラマが始まったので消して外を走る車の音を聴いている。

 

テーブルの上には個包装になった一口クッキーのビニールが、三つ

本、グラス、メモ書き数枚

 

そして、鉛筆。